概算要求

公開:2009-10-19 08:56
更新:2020-02-15 04:36
カテゴリ:日記

国家予算の概算要求が95兆380億円と過去最高になり、自民党政権時代を上回ったとマスコミは騒いでいる。
今のところ、マスコミの姿勢は「民主党は公約実現のため、赤字国債を出してでもやろうとしている。これはいかがなものか?」である。
これは早計であると私は考える。なぜならば概算要求は、政府の予算方針にしたがって省庁が出してきた「たたき台」であって、これから「予算」成立までに国会で審議されなければ決定ではないからである。
旧自民党政権では、概算要求でほぼ決まりだったので、いたしかたない部分もあるのだが。

とはいえ、私もよく成立過程についてよく知らないので調べてみると、下記の手続きで進められることがわかった。

【0】.予算編成方針を閣議で決定する。(9月29日)

財務省から出ている平成22年度予算の方針は下記のとおり

平成22 年度予算編成の方針について
平成21 年9 月29 日
閣議決定
1.平成22 年度予算については、年内に編成する。
2.平成22 年度の予算編成に当たっては、ムダづかいや不要不急な事業を根絶すること等により、マニフェストの工程表に掲げられた主要な事項を実現していくため、以下の方針で臨む。
(1) 現行の概算要求基準(「平成22年度予算の概算要求に当たっての基本的な方針について」(平成21 年7 月1 日閣議了解))は廃止する。
(2) マニフェスト(「三党連立政権合意書」を含む。以下同じ。)を踏まえた要求の提出は、10 月15 日までに行うこととする。
(3) マニフェストに従い、新規施策を実現するため、全ての予算を組み替え、新たな財源を生み出す。これにより、財政規律を守り、国債マーケットの信認を確保していく。
(4) 各大臣は、既存予算についてゼロベースで厳しく優先順位を見直し、できる限り要求段階から積極的な減額を行うこととする。

【1】.各省庁が予算編成方針に従いそれぞれの予算案を提出(概算要求)
ここが、95兆380億円である。
概算要求の概要は各省庁のHPで見ることができる。
この時点での評価すると、総額は「方針」とはかなりかけ離れたものとなっていて、感覚的には「マニフェスト実施費用+前政権の宿題(ツケ)」となってしまっていることだ。方針(4)が徹底されていないような気がする。
また今回はシーリング(概算要求基準)が廃止され、予算枠がなくなってしまったので省庁とも歳出を抑えるということはないがごときの内容となってしまっている。
本当にそうなのかは、各省庁の概算要求を子細に見てみないとわからない。

【2】.財務省が取りまとめ、調整をおこない、財務省原案を作成
【2.5】復活折衝にて財務省原案の修正を行う。
【3】.財務省原案を閣議で議論し、決定すると予算案となる
【4】.予算案を衆院本会議に提出する。
【5】.衆院予算委員会にて議論。各省庁ごとに分科会を開き議論する。
【6】.衆院本会議で予算案を可決・否決する

【7】.参院本会議に予算案が提出される
【8】.参院予算委員会にて議論。各省庁ごとに分科会を開き議論する。
【9】.参院本会儀にて予算案を可決・否決する

いままでの政権では【3】-【9】までがほぼ形骸化していたわけであるが、現政権ではどうなるか見ものである。