このNeXTコンピュータは商業的には失敗だった。けれども非常に野心的で技術的な面で先見性のあるコンピュータであった。光磁気ディスク・DSP・マイクロカーネル(Mach)・Display Postscript・Ethernet・etc...。そのおかげでティム・バーナーズ・リーがこのコンピュータでWWWを生み出したのはあまりにも有名な話だ。
"NeXTcube" . Licensed under CC 表示-継承 3.0 via ウィキメディア・コモンズ.
私はこのワークステーションの発表会や講習会に参加したことがある。発表会はたしかスティーブ・ジョブズのプレゼン動画を上映していたように記憶している。その時に「Interpersonal Computing」というキーワードを言っていたのを覚えている。なにかペラペラとしゃべっていてこのキーワードを発し一呼吸置いていたように思う。当時からスティーブ・ジョブズはプレゼンが上手だったのだ。その時の動画はたぶんこれだ。
これを見てとんでもないワークステーションが出てきたなと思ったものだ。
そしてその後講習会でNeXTStepとインターフェースビルダのさわりを学んだ。ハンズ・オンの講習会だったのでこの歴史的なワークステーションを触ることができたのだ。非常に洗練された開発ツールでUI構築が簡単にできたように記憶している。開発言語はObjective-Cだった。このあたりは現在のMacの開発環境に通じるものがある。このツールがあったからティム・バーナーズ・リーはWWWを開発することができたのだ。
ただ私は残念ながら仕事でNeXTにかかわることはついになかった。一般企業にこのワークステーションが売れることはまずなかったからね。。