CZ-101

公開:2014-12-01 21:32
更新:2020-02-15 04:37
カテゴリ:audio,ハードウェア


CZ-101の復活に、自動作曲など、カシオのiOSアプリが面白い : 藤本健の“DTMステーション”

そんなにウォッチしてるわけでもないのに言うのもなんだけれども、このところのiPad音楽アプリの充実度というのは目を見張るものがあるね。Appleのサウンド機能はMacのときからすごかった。低レイテンシなPCM再生もおそらくMac譲りなのだろうなと想像する。

それはさておきこのCZ-101というシンセは実機を持っていた。RZ-1というワンショット・サンプリングが可能なリズム・マシンも持っていた。全部中古で格安でゲットしたのだけれども。

https://farm8.staticflickr.com/7530/15279064674_f205df39cc.jpg DTMステーションより

安いし4CHで単音だけどマルチティンバーで再生ができたのだ。これとRZ-1を使うとシーケンサに演奏させるパートはカバーできたんだよね。当時ビンス・クラークを崇拝していたのでそれを真似るのにまあちょうどいいシステムであったのだ。Yazの一枚目を聴いてもらうとわかるけどあまりコード弾きがなくて単音のシーケンスパターンが3-4トラックでできていたからね。こういうのにハマっていた時期だった。

このPD音源というのは「Phase Distortion」の略である。サイン波/コサイン波の読出し位相角を歪ませることによって波形を生み出すという方式である。この理屈は

Phase Distortion Synthesis - How it works

に詳しく載っている。FMとどう違うのかというとほとんど理屈は違わない。読出し速度を変えるモジュレータがFM音源の方が複雑なことができたくらいでしかない。でもCZ-101ってそういうなんかモジュレータ側のパラメータはいじれなかったような記憶があるんだよね。DCOのプリセット波形として固定されていたような。なのでPhase Distortionのような音作りができたかというとそれは??だったような。そのおかげで簡単に音作りができたのだと思う。

面白いのは音色を可変させるフィルタみたいなDCWというのがついていたということ。これはデジタルフィルタではなくモジュレーションだろう。デジタルフィルタは当時のシンセではきつかったからね。デジタルフィルタのような効果が得られるがレゾナンス発振とかはできなかった。ただアナログチックな音が出せたんだよね。デジタルのくせに。

FM音源などのPhaseモジュレーション・シンセシスは波形メモリ音源の一種ともいえる。少ないメモリでさまざまな波形が出力可能という特徴はこの時代にとてもマッチした技術だったのだ。なのでメモリの大容量化で廃れてしまったのもうなずける。