スペース・ウォーとPDP-1のグラフィックスについて

公開:2017-03-27 21:40
更新:2020-02-15 04:37
カテゴリ:ビデオゲーム

lubuntuのインストールでありえないハマりの連続で、ちょっとラズパイへの意欲が削がれてしまっている私である。 それはさておき、私は風呂に入りながら本を読むのだが、最近よく読んでいるのは「NHKスペシャル 新・電子立国〈4〉ビデオゲーム・巨富の攻防」である。

この本は1997年発売なのでかなり古い本である。今はなきハドソンがシャープのパソコン用ソフトの開発・製造・販売で成長したところとか、任天堂の山内社長のインタビューとか、何度も読みかえしているので本はボロボロである。

この本にビデオゲームの元祖である、PDP-1で開発された「スペース・ウォー」というゲームのことが載っている。 スペース・ウォーとは2人プレイのゲームで、宇宙船を操作してミサイルを撃ち合うシューティング・ゲームである。下はPDP-1の実機で動かした動画のようである。

このスペース・ウォーが世に出たのは1962年で、私が生まれる数年前である。この時代にこのようなグラフィックスを備えたゲームを完成させること自体すごいことだが、PDP-1というミニコンがこのようなゲームを作成できうるようなグラフィック機能を備えていたというのも驚きである。ビットマップグラフィック(ラスタースキャンディスプレイ)がこの時代ですでにできていたということなのだろうか。 ウィキペディアによれば「1024×1024のアドレス指定可能な位置を持ち、毎秒2万点を描画できる。CRT上に1点を表示するための特殊な命令を使って画像を構築した。」とある。これはどうもビットマップディスプレイというわけではなさそうだ。おそらく昔のベクタースキャンディスプレイのようなものだったのだろうと推測する。

このゲームを見たノラン・ブッシュネルが「コンピューター・スペース」を作って失敗し、その後アタリ社を設立して「ポン」を作って、アーケード・ゲームの礎を築くのである。